第69回選手権 2回戦

TEAM

 

TOTAL

東海大甲府(山梨)

 

佐 賀 工    

×

 

【コメント】

九州の快速右腕:江口と4番に久慈(中日)が座り打線の破壊力には定評のある東海大甲府打線との対決。試合は佐賀工:江口、東海:山本の投手戦に。勝負を決めたのは佐賀の足攻め、センバツベスト4の東海大甲府はよもやの本盗で決勝点を挙げられ、初戦敗退。

江口は左足を大きく上げてしなやかな腕の振りと身体全体のバネで速球を投げ込む本格投手で今までに印象に残っている好投手です。イメージ的には小松投手(星稜−中日)でしょうか。また、東海:山本投手もキレの良いカーブと投球後に帽子がずれたり落ちたりする躍動感有るフォームで良い投手でした。

【資料概要】
制作 NHK、実況:大塚 範一氏、解説:鍛冶舎 巧氏
【試合概略】

1回表、東海は先頭:天川から、江口は意表をついてカーブを2球続け、3球目に速球を投じるが速い!結局速球を空振り三振。2番:早矢仕は初球の速球を狙い中前へ。しかし、3番:石川の3球目に盗塁死、これはショートがうまーくバウンドをすくい上げてタッチナイスプレイです。石川は高めのスライダーを空振りし、チェンジ。

1回裏、岡崎は三振。2番:野田は3球目の外角カーブを打ち上げ一飛。ここで佐賀工のクリーンナップが登場。3,4,5番は全て左打者。3番:森永は山本のカーブが太ももに当たりデッドボール。4番:藤瀬の初球に東海の1回の攻撃のお返しとばかりに盗塁成功。藤瀬はノースリーから真ん中ストレートを強打し、打球はセカンド横をバウンドして抜け佐賀工先制、積極的な攻撃でした。続く5番:久米も痛烈に一二塁間をゴロで破るも、6番:白水の時に藤瀬が三盗を試み失敗チェンジ。しかし、クリーンアップからは安定した打撃力を感じました。


2回表、4番:久慈から。江口の4球目の外角速球に押され遊ゴロ。5番:江花、6番:山本も速球に押され二ゴロと右飛。

2回裏、白水から攻撃。山本の外角のコントロールが定まらずに四球。7番:大内の犠打を山本がジャックルしてチャンス拡大かと思ったが、進塁した白水が僅かにオーバーランしたところを山本が見逃さずに2塁に送球し白水がタッチアウト。1死1塁に。続く8番:小野は予選.071でしたが、痛烈な左前ヒット。オーバーランが痛かったですね。しかし、小野は春時点では4番も打った事が有るそうで、腰の据わったバッティングでした。1死1,2塁で江口の2球目に山本が低投、キャッチャーが後逸し1死2,3塁、江口もストレートの四球で1死満塁とするが、1番:岡崎の当たりは痛烈なファーストライナー。2走:小野が戻れず併殺チェンジ。佐賀工序盤は完全に押し気味です。


3回表、7番:佐野からの攻撃。3球目の真ん中速球を弾き返すも平凡な2ゴロ。しかし、ファーストへの送球が高投で佐野は2塁へ。8番:川崎は上手く犠打を転がし、9番:薄のスクイズで同点。スクイズは内角高めの速球をしたせいで江口の正面に転がり失敗かと思ったものの、佐野のスタートとスライディング素晴らしく、フィルダースチョイスとなる。続く1番:天川は内角高めのボールを空振り三振。ヒットエンドランがかかって走っていた、薄が盗塁死で併殺、チェンジ。

3回裏、2番:野田から。野田は遊ゴロ。3番:森永は膝元に落ちるフォーク?カーブを空振り三振で2死、4番:藤瀬も内角速球を見逃し三振でチェンジ。山本の速球の伸び、変化球のキレが良くなってきました。しかも投球が荒れているので佐賀工としては的を絞りにくかったでしょうね。


4回表、2番:早矢仕、3番:石川が遊ゴロで2死も。4番:久慈が江口の初球の外角速球をさかわらずにショート頭上に弾き返し、打球は左中間を破り3塁打。しかし、5番:江花が右邪飛に倒れ、無得点。

4回裏、5番:久米は二ゴロ。6番:白水が遊ゴロ。7番:大内が遊飛で三者凡退。


5回表、6番:山本、7番:佐野が二ゴロ。8番:川崎も初球を打ち三ゴロで三者凡退。川崎の三ゴロは佐賀工のナイス守備でした。

5回裏、8番:小野が山本の外角カーブを上手く右翼線に流し今日2本目のヒット。9番:江口は送れずに外角カーブを見逃し三振。1番:岡崎も外角カーブをバントを空振りし三振、2死1塁。2番:野田の時に山本が2個目の暴投で2死2塁とするも、野田が右飛でチェンジ。


6回表、9番:薄がショート前にボテボテ当たり、三塁手が小野が取って送球アウト。小野はセカンドキャンバス前まで走ってました。江口は調子を上げ、後続の1,2番を連続三振。大きな腕の振り、胸の張りが一段と大きくなったようです。

6回裏、3番:森永から。山本も江口同様、調子が上がり特にカーブの切れ、落差が鋭く佐賀工手が出ずに、森永が投手を強襲する遊ゴロ、4番:藤瀬、5番:久米は落差鋭いカーブに手を出し、いずれも空振り三振。


7回表、クリーンアップの攻撃も江口の前に沈黙。3番:石川が遊ゴロ。4番:久慈が投ゴロ、5番:江花が二ゴロと三者凡退。

7回裏、6番:白水から。1−2から山本の内角球を上手くすくい上げると打球は高ーくレフトに上がるがフェンス前で捕球。7番:大内は詰まった遊ゴロで2死。8番:小野はこの日3安打となるヒットをレフトフェンス上部直撃のシングルヒット。この打球を本塁打と勘違いした小野は一塁を回ったときにガッツポーズ。気が早かったですね。2死1塁から江口は遊ゴロでチェンジ。


8回表、6番:山本から。江口の内角高めの速球を身体を上手く開いて流し打ちし右前にヒット。7番:佐野は江口の速球に押されバントを失敗し、強行も外角低め速球を見逃し三振。8番:川崎は初球を叩き、1,2塁間を破るヒットで1死1,2塁。9番:薄の時、山本が3盗、薄空振り三振で山本も失敗。併殺チェンジ。失敗後、山本が薄の方を見てたのが印象的です。

8回裏、東海:山本が前のイニングで走者で盗塁死し、すぐさまマウンドへ登ったせいかコントロールが定まらずに一番:岡崎、2番:野田に連続四球でピンチ。3番:森永は捕前に犠打。キャッチャーの送球がワンバウンドでヒヤリとしたが、カバーに入った天川がナイスキャッチで1死2,3塁。ここで4番:藤瀬が0−2からスクイズを試みるも外角に外され3走:岡崎がアウトし、2死3塁。しかし、カウント1−3からの4球目を野田がホームスチール。走った瞬間、山本はモーションを早めて投球したものの投球がワンバウンド。捕手の薄が捕球の為、一瞬ミットを身体につけて捕球した分タッチが送れ生還。その直後は大八木監督が呆然と立ちつくしてました。しかし、山本のワインドアップをついた走塁は見事でした。


9回表、1番:天川からの攻撃。江口の投球はさらに伸びが見え、天川を真ん中の速球で三振。2番:早矢仕も真ん中の速球に詰まり二ゴロ。最後は3番:石川も外角高めの速球に空振り三振。試合終了。その瞬間江口は万歳。春のセンバツ4強:東海大甲府が夏が初戦で敗退した瞬間でした。
【エピソード】 
8回裏のホームスチールの場面ですが、3走:野田が走った瞬間、東海:山本がモーションを早送りしたように投げ込みましたが、同時に捕手の薄も気がつき投球前にマスクを外してボールを受けていました。プレイ後、投球か送球か審判団で協議されましたが結局は投球と判断され、藤瀬もホームスチール時の投球がボールで四球で出塁。

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